「センター試験」廃止。代わりのテストは…

センター試験は2019年度の実施を最後に廃止され、2020年度(現中3が大学受験をする年)から「大学入学共通テスト」(以降「共通テスト」)がスタートします。今回は、共通テストの概要について、現在公表されている内容を確認していきます。なお、新テストの詳細は現在も議論・検討中です。今後変更される場合もございますのでご了承下さい。

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変更点① 国語・数学における記述問題の導入

現行のセンター試験はすべてマークシート方式で実施されていますが、共通テストでは一部記述式問題が、当初は国語と数学のみ導入されます。国語は80~120字程度で答える問題が3問程度、数学も3問程度出題されます。大学入試センターのホームページには、新テストのモデル問題が公表されています。国語では、架空の自治体の「景観保護ガイドライン」を題材にした問題や、駐車場の使用契約書を題材にした問題、また数学では、公園の銅像の位置を、三角比を用いて算出する問題が示されていました。どの問題も、学んだ知識を実生活に落とし込む思考力と表現力が問われる問題となっています。

変更点② 英語は民間試験の活用が基本線

今回の大学入試改革の中で、最大の変更点が英語における民間試験の活用です。受験生は、高校3年生以降の4月から12月までの間において、2回までの民間試験の結果を受験に活用できます。2023年度までは現行のセンター試験と同様のマーク式の試験も共通テストの中で行われます。民間試験と共通テストの英語のどちらの結果を合否の判断基準とするのかは、各大学の判断に委ねられますが、国立大学協会では、両方の試験を必須にする方針を固めたようです。

大きな変更点は以上の2点になります。記述式問題の採点について、既卒者への対応、実際に活用できる民間の資格・検定試験など、多くのことが未定のままですが、新しい試験・新しい教育が始まることは間違いありません。

(高校生専門校 教学舎 責任者:天童辰也)