12月14日に示された改革案

少子化社会の中で生徒に望ましい教育を推進する県立高校の再編、統合を目指す県教委は、このほど「県立高校改革実施計画案」を県議会に提出しました。その中には、前号でも触れた統合、再編となる高校についての案も含まれていました。巷では「とうとう曽屋高校が・・・。」という懸念も噂されていましたが、この地域の全日制普通科を希望する受験生にはほぼ影響がない計画案だということがわかりました。

実施計画は12年間を予定しており、Ⅰ期からⅢ期までを各4年に分けて実施します。Ⅰ期は平成28年度から始まります。

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注目のポイントは?

実施計画案に示された工程表によると、「生徒学力調査」・「教育課程研究開発」・「プログラミング教育」・「学力向上進学重点校のエントリー校」・「理系教育推進校」・「グローバル教育研究推進校」・「国際バカロレア(※1)認定推進校」などが注目点として挙げられます。

「生徒学力調査」は2年次に行われる基礎学力テストで、平成31年度に試行実施となる予定です。また、「教育課程研究開発」では「公共」という新科目の導入、および新たな学習評価に係る研究もなされます。

学力向上進学重点校の指定は、県内進学トップ校の称号を授けられるのと等しいことです。そのため、エントリーという採択方法は高校間の熾烈な競争の呼び水となり、結果として教育向上に拍車がかかりそうです。これは、改革案に秘められた狙いなのかもしれません。

また、教育環境の整備も検討されており、ICT(※2)にかかる基盤整備や情報機器の適正な配置などについて、セキュリティを担保しつつ計画的な整備をすることが盛り込まれています。 理科の実験・実習の設備・備品のほか、日常の安全や衛生に関わる校舎の耐震化・老朽化対策の推進や便座の洋式化を主にしたトイレ環境の改善案も含まれています。

再編、統合の動きは?

現在、クリエイティブスクールは大楠・田奈・釜利谷の3校ですが、県西・県央にはありません。そこで、平成29年度から新たに2校が設置される予定です。指定が予定されているのは、大井、大和東です。また、近隣の統廃合予定校は平塚農業と平塚商業、高浜と平塚商業(定時制)、弥栄と相模原青陵で、各々先行の高校に統合される見込みです。

次回、課程や学科の改編が行われる近隣校の紹介をします。

 

※1 国際バカロレア機構が提供する国際的教育プログラムとその資格。
※2 情報・通信に関する技術の総称。