秦野高校は「トップ校」として存在できるか

 

神奈川県秦野市にある私たちの塾にとって「秦野高校」は特別な高校です。旧秦野伊勢原学区のトップ校であり、創立約100年の伝統校だからです。

 

目次

秦野高校の特徴

文武両道を謳い、かつて野球部は夏の甲子園神奈川予選で準優勝(1972年)もしていました。サッカー部、バスケットボール部、陸上部(長距離)でも県トップレベルの実績を残しています。今でもチアリ-ディング部は全国レベルで活躍しています。

生徒たちが文武両道にあこがれを感じる風潮を、最近はあまり感じていませんが、充実した高校生活を送る要素とした、部活動と学校行事は不可欠です。秦野高校では、以前は文化祭と体育祭を隔年で開催していましたが、このような風潮を考慮してか最近では両イベントとも毎年開催しています。

 

大学進学状況

進学実績としては、定員厳格化の緩和によりGMARCHの合格者数は確実に増えてきています。そして国公立大学の進学者数も30名程度になっています。地方私立大学の公立化により数字上増えているように見えるのかもしれません。

一方で指定校推薦(枠)では、以前は早稲田大学の理工学部と第一文学部に枠があり、明治薬科大や聖マリアンナ医科大学の枠もあったりしました。それでも伝統校のためGMARCH全大学に指定校があり、理系では東京理科大と上智大学にも指定校があります。

 

合格実績のまとめ

そこで既に今年の合格実績が公表されているので主要な部分をまとめてみました。

国立大学 公立大 早稲田大 上智大 明治大
2024年入試 19人 12人 3人 2人 11人
2023年入試 21人 4人 3人 1人 25人

 

立教大 法政大学 青山学院 中央大 学習院
2024年入試 8人 23人 32人 28人 7人
2023年入試 18人 27人 44人 38人 8人

https://www.pen-kanagawa.ed.jp/hadano-h/shinro/goukaku.html

残念ながら上位私立大学の合格者数では昨年よりも下回っています。しかし、この傾向は小田原高校でも同じであるため、上位私立大学の合格者数自体が減っている可能性もあります。その一方で国学院大や成蹊大、明治学院大学では昨年よりも合格者数が増えています。

 

実績から見た考察

9クラス編成で卒業者数が350人程度と考えると、進学実績からはトップ校とは言い切れない面がありますが、同等の偏差値帯の他高校と比べれば健闘していると思います。この数値を土台として支えているのは指定校推薦の数かもしれません。

 

高校入試の結果

今度は入り口側(高校入試)のことになります。秦野高校の偏差値は神奈川全県模試のデータでは偏差値56(内申113)となっていました。5年前が偏差値58(内申115)だったので徐々に数値が下がっています。数値が下がっている要因は、競争率が1.1倍にも満たない低倍率だからと分析しています。低倍率により下限が下がっています。わたしの塾でも、入試得点が神奈川全県平均278点のところ、280点台(内申108未満)で合格していました。偏差値換算だと50程度になります。倍率が下がるということは学力下位層に異変が起きるということだと思われます。

このような「下げトレンド」が、大学受験という「出口」にどのような影響を与えるのかが心配ではありますが、今年の大学受験結果を見る限りあまり影響がないと考えます。学力が低い生徒はいるものの、高校の授業で鍛え上げているのでしょう。そういった意味では「トップ校」であると思います。

 

今年の新入生が分岐点

学力の伸長には環境と伝統力が不可欠です。勉強するのが当たり前の環境があるから成長していくのだと思います、しかしその環境が崩壊されてしまったら(先生側のプレッシャーが弱まるなど)、生徒自身の意識だけで上を目指す思考にはならないと思われます。今年の新入生がその分岐点のように感じています。それがわかるのは3年後なのですが…。

 

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