文科省の学校基本調査によると、全国の高校卒業後の進学率は令和5(2023)年度では、大学進学率は57.7%、短大進学率は3.4%、専門学校進学率は21.9%であり、大学への進学率は前年度比で1.1ポイント増加しています。伊志田高校のような中堅校では80%程度の生徒が大学進学をしています。つまり大学進学は「当たり前」のこととなっています。
大学受験は高校受験と異なり、国公立大学に進学できるのは受験生の約20%と狭き門であり、私立大学への進学が大多数となっています。それを踏まえた上で、進学資金の準備は非常に大切になります。年間約100万円の学費等の教育費をどのように賄うのかしっかりと方向性を出す必要があります。奨学金を前提とした「なんとなく進学」は避けなければなりません。大学等の上級学校への進学は、高校進学に比べより目的を明確にする必要があり、適性を見極めることが求められています。
子どもたちの「やりたいこと」は勝手に出てくるのでしょうか?いいえそんなことはありません。やりたいことや適性の発見には「経験」が必要になります。今や就職活動も結婚も保育園もマッチングです(塾選びも)。学部選びや大学選びももちろんマッチングです。様々なことを経験することによって、視野を広げ世の中を知り、自己分析によって「やりたいことを」明確にすることが理想です。
私は子どもたちに「経験」をさせることを強く薦めたい。子どもの言いなりでなく強引にでも、よいと思えることにチャレンジさせてほしい。それは部活動のような課外活動でもよいと思います。また家族旅行でもよいと思います。体験を買うことは効率の良い教育投資だと思います。
大学受験における合格者は私立大学の場合、推薦や総合型選抜(今では年内入試と言われています)での合格者が60%にも及んでいます。特に総合型選抜は指定校推薦と異なり高校での成績をあまり必要としていません。大切になるのは大学側と受験者側の「マッチング」です。適正とやりたいことをアピールすることが求められます。中学生や小学生のうちからやりたいことを見出す工夫や、適性を伝える会話が大切だと思います。
学指会通信234号から