こんにちはマツダです。

今回はトップ校と呼ばれている進学校の合格実績の比較です。高校選びの材料の一つとして読んでいただきたいと思い書きました。実績の数字はホームページに掲載されている今年の合格実績から引用しています。基本的に現役合格の数字ですが、平塚江南高校は区別が書かれていなかったので不明です。

トップ校とは

神奈川県の進学重視の学校には「学力向上進学重点校」と「学力向上進学重点校エントリー校」があります。基本的に旧学区のトップ校はこのどちらかに属していますが、旧秦野伊勢原学区トップ校の秦野高校はそれらに属していません。いずれも大学進学を意識した教育プログラムを用意している学校に変わりはありません。

まずは今回比較した高校紹介をしておきます。

厚木高校

県央地区のトップ校である厚木高校は学力向上進学重点校に指定されている高校です。大学の進学実績は抜群でありながら、部活動やイベントも盛んです。ダンスドリル部は全米大会にも出場したほど有名です。

小田原高校

県西地区のトップ校である小田原高校は学力向上進学重点校エントリー校になっているいます。2004年に小田原城内高校と合併して単位制の高校になりました。2007年には校舎が新しくなり上履きのいらない学校になりました。

理数教育推進校

平塚江南高校

平塚学区のトップ校である平塚江南高校は学力向上進学重点校エントリー校になっているいます。2020年からSSH(スーパーサイエンススクール)の指定を国から受けています。夏期講習や土曜講習といった補習授業が充実していました(今年度はわかりません)。

理数教育推進校

秦野高校

秦野伊勢原学区のトップ校である秦野高校は進学重点校にはエントリーせず独自の取り組をしています。そのため学力検査の際には「特色検査」はありません。 ICT利活用授業研究推進校に指定されているため、インタラクティブ(双方向)なユニークな授業を展開ています。

ICT利活用授業研究推進校

 

相模原中等教育学校

かつては相模大野高校でしたが2014年度に閉校し、相模原中等教育学校に変わりました。今年は7期生となっており、1期生から東大5名とスゴイ合格実績を出した高校です。高校から入学できませんが、中学受験をした生徒の実力をはかるのに良いと思い取り上げました。

大学受験の勝負はこのような中高一貫校の生徒たちも含まれています。高校受験での偏差値が大学受験では通用しないのはこのためです。

 

 

高校別合格実績

1 国公立の進学実績

高校名 偏差値 人数 国公立 合格率 東京 京都 医学部 横国 横市 都立大
厚木 70 320 114 36% 2 3 3 27 4 23
小田原 66 317 87 27% 0 0 0 16 8 11
平塚江南 62 320 81 25% 0 1 1 11 9 12
秦野 58 360 8 2% 0 0 0 1 0 1
相模原中等 × 153 51 33% 5 0 3 9 4 9

※「人数」は募集人数または卒業生数になります

合格数では厚木高校が圧倒的です。入学当初から国公立または医学部を目指す教育になっているので当然です。これが学力向上進学重点校とエントリー校の違いだと思います。厚木高校に合格するには偏差値70ですので、上位2%(100人中2人)が目安となります。どうしても国公立大学というのであれば、偏差値60以上の高校であり、また高校での順位は中位程度という結果です。

保護者の方が関東圏以外の方は注意が必要です。地方の進学校では国公立大学進学が当然のことです。しかし関東圏の場合、国公立は国公立でも「旧帝国大学」のようなブランド校を指します。私立の難関校にも合格できる学力かつ、国公立大学にも合格できる学力を養うのは並大抵ではありません。

主観ではありますが、県としては国公立の進学率を重視しているように思えます。そのため秦野高校は国公立大学には縛られたくないという思いもあり、エントリーもしなかったのではないかと思います。

 

2 難関私立大学の実績

早慶上理 GMARCH
高校名 慶應 上智 理科大 早稲田 青山 学習院 中央 法政 明治 立教
厚木 35 33 29 105 85 14 87 78 166 46
小田原 12 13 23 33 37 14 54 54 89 26
平塚江南 17 9 34 27 68 13 53 79 85 37
秦野 0 5 2 1 22 3 28 18 14 4
相模原中等 29 15 36 41 34 5 46 29 50 17

厚木高校が今年MARCHの合格者数全国1位という記事がありました。本当に誇らしいと思います。合格者数の内訳はありませんでしたが、「共通テスト利用」の合格者が多くいたのではないかと推測します。相模原中等の合格実績は入試タイプによる詳細が書かれていますが、例えば明治大学では50名中 ①一般入試26人・②共通テスト24人 となっています。国公立に強いイコール共通テストで高得点 となります。その結果、私立大学の高実績にもつながります。

秦野高校以外は「指定校推薦」は狙わないのが普通です、そのような文化になっています。マイノリティー覚悟で推薦を狙うと、あまり競争なく取れるようです。ただし定期テストで高得点を取るのも大変です。超進学校だからと言って指定校の基準が極端に低くなることはありません。

高校の実力を私立大学の合格者数でみる場合、慶応義塾大学の合格者数を見るべきと言われています。某私立高校の先生も慶応義塾大学の合格者数を出すことに腐心しているといっていました。慶応大学は共通テスト利用がないのでそう言われているのかもしれません。

 

3 四工大への合格実績

まずは『四工大』とは何かを説明します。東京都にある理工系4大学(芝浦工大東京電機大学東京都市大学工学院大学)の総称で、「東京理工系4大学による学術と教育の交流に関する協定」に基づき単位互換制度も存在します。小田原高校や平塚江南高校は理数教育推進の指定を受けているので注目してみました。

高校名 芝浦工大 東京電機 東京都市 工学院
厚木高校 11 13 24 20
小田原高校 11 15 15 9
平塚江南高校 24 16 35 31
秦野高校 14 14 20 13
相模原中等教育 23 4 17 8

 

 

 

 

 

 

これからは理系の時代です。理系人材が重宝されていくのは間違いありません。もし文系を志望するのであるならば、明確なビジョンがないと通用しない世界になっています。大学進学を考えているならば理数教育を大切にするの鉄則です。

 

最後に

一昔前に言われていた「潰しがきくから経済学部」というような軽い風潮で考えてはいけません。保護者のみなさんが意識を変えなければいけません。『飯が食える大人』になるためにキャリアデザインをしっかりと考えましょう。

競争でなく欲求で勉強しないと通用しない社会になりつつあります。「探求」が大切な価値になっています。ディープラーニングが大切なのです。勉強の目的が変わり、ディープラーニングができれば、高校入試における偏差値は簡単に上がります。

私は「ガチ勉」したい生徒を望んでいます。中学受験や大学受験ではなかなか結果は出せませんが、高校受験はそうではありません。カラクリに気が付き早く始めたもの勝ちです。今年はぜひ「特色検査対策」をやらせてください。