みなさん、夏と言えば何でしょうか。私の場合、夏と言えばプールと海です。小学生の頃は、両親に大きなプールや海に連れて行ってもらうようせがんでいました。当時千葉県に住んでいたので、九十九里浜へ海水浴に行くのが何よりの楽しみでした。特に小学4年生でスイミングを習い、泳げるようになってからは、水遊びへの熱がより一層高まっていきました。
水泳も、最初から泳げる人はいません。多くの人が誰かに教わって、泳げるようになります。我が家の子どもたちはスイミングを習っていないため、まだ泳げません。水遊び自体は好きなのですが、息継ぎをして泳ぐことはできず、このまま大人になって習う機会がなければ、ずっと「金づち」のままかもしれません。
泳ぐことと似ているのが、「自転車に乗ること」だと思います。幼稚園の年長から小学校低学年にかけて、補助輪を外す練習をしているご家庭も多いのではないでしょうか。教え方や子どものセンスによって期間はまちまちですが、いつの間にか乗れるようになります。水泳と違い、こちらはほぼ確実に成功します。
子どもたちを取り巻く環境は年々変わっていますが、このことだけは昔も今も変わらない気がします。習って、やってみて、失敗して――このサイクルなしに、できるようになることはないのです。
ところが、これが思春期になると、そう簡単にはいきません。小学生の頃はできないことを人前でやってみせても、さほど気にしませんでした。しかし中学生・高校生になると、失敗する姿を友人や周りの人に見られることを極端に嫌がるようになります。プライドや自意識が育ってくる分、「できない自分」を見せることが恥ずかしく、怖くなるのです。
これは子どもだけの話ではないかもしれません。私たち大人も、子どもの前では「失敗しない親」でいたいと思ってしまうことはないでしょうか。仕事でつまずいた話や、うまくいかなかった経験を、あえて子どもに見せる機会は意外と少ないものです。大人が失敗を隠せば隠すほど、子どもは「失敗してはいけないもの」だと感じてしまいます。
本当に問題なのは、失敗することそのものではなく、失敗しても大丈夫だと思える環境が、家庭にも学校にも十分にないことだと思います。一度の失敗が笑われたり、評価を下げられたりするのではという不安があると、子どもは新しいことに挑戦する一歩を踏み出せなくなってしまいます。
だからこそ、私たち大人にできることは、子どもの失敗を責めるのではなく、「よくやってみたね」とまず受け止めることではないでしょうか。時には、自分自身の失敗談を子どもに話してみるのもいいかもしれません。失敗しても大丈夫、という空気を家庭の中につくっていくことが、子どもが安心して挑戦できる一番の後押しになるはずです。
(学指会通信251号より)



