こんにちはマツダです。
テストの点はそこそこ取れているのに、通知表が思ったより低かった!
“主体的に学習に取り組む態度”って、結局なにを見ているの?
面談の場で、保護者の方からこうしたご相談をいただくことがよくあります。中学校の成績のつけ方は、保護者の方が中学生だった頃とは大きく変わっています。今回は、神奈川県教育委員会が作成した学習評価の資料をもとに、中学生の「評定」がどのように決まるのかをできるだけわかりやすくまとめました。
学指会には秦野市と平塚市の中学校に通う生徒さんがいます。実は、この2つの市では観点ごとの評価のつけ方が異なります。今回は両方の仕組みをご紹介します。
ポイント1:成績は「3つの観点」から始まる
中学校の成績は、いきなり1〜5の数字でつけられるわけではありません。まず各教科で、次の3つの観点ごとに評価されます。
- 知識・技能……習ったことを理解し、身についているか。単なる丸暗記ではなく、ほかの場面でも使える程度に理解できているかも見られます。
- 思考・判断・表現……身につけた知識を使って、課題を解決するために考え、判断し、表現できているか。
- 主体的に学習に取り組む態度……自分から学ぼうとする姿勢があるか。
ここで大切なのは、これが「目標準拠評価」(いわゆる絶対評価)だということです。「クラスで上位何%だから5」という相対評価ではなく、学習指導要領に示された目標にどこまで到達できたかで評価されます。つまり、周りの友だちの出来にかかわらず、お子さま自身の到達度が評価の対象になります。
ポイント2:3観点の評価をまとめて「評定(5段階)」になる
3つの観点の評価を総合して、1〜5の評定が出されます。これが通知表に載る数字であり、高校入試で使われる「内申点」のもとになります。
ただし、観点ごとの評価を何段階でつけるかは地域によって違います。
- 秦野市の中学校……A○・A・B・C○・Cの5段階
- 平塚市の中学校……A・B・Cの3段階
それぞれの仕組みを見ていきましょう。
① 観点を5段階で評価する場合(秦野市)
神奈川県教育委員会の資料には、観点ごとの評価を数値化して評定にまとめる「総括モデル」が示されています。中学校のモデルでは、各観点を次の5段階で評価し、点数に置き換えます。
| 観点の評価 | 意味 | 点数 |
|---|---|---|
| A○ | 十分満足できるもののうち、 特に程度の高いもの | 5点 |
| A | 十分満足できる | 4点 |
| B | おおむね満足できる | 3点 |
| C○ | 努力を要する | 2点 |
| C | 一層努力を要する | 1点 |
3観点の点数を合計し(最高15点〜最低3点)、その合計値で評定が決まります。
| 組み合わせの代表例 | 合計点 | 評定 |
|---|---|---|
| A○ A○ A○ | 15点 | 5(15〜14点)十分満足できるもののうち、特に程度の高いもの |
| A○ A○ A | 14点 | |
| A○ A A | 13点 | 4(13〜11点)十分満足できる |
| A A A | 12点 | |
| A A B | 11点 | |
| A B B | 10点 | 3(10〜8点)おおむね満足できる |
| B B B | 9点 | |
| B B C○ | 8点 | |
| B C○ C○ | 7点 | 2(7〜5点)努力を要する |
| C○ C○ C○ | 6点 | |
| C○ C○ C | 5点 | |
| C○ C C | 4点 | 1(4〜3点)一層努力を要する |
| C C C | 3点 |
出典:神奈川県教育委員会「観点別学習状況の評価から評定への総括モデル」(学習評価資料集 p.24)をもとに作成
この表から、次のことが読み取れます。
- 評定5をとるには、A○が2つ以上必要です。「3観点すべてA」でも合計12点で、評定は4になります。
- ひとつの観点が少し弱くても、ほかの観点で補える仕組みです。たとえばA○・A○・Bなら合計13点で評定4になります。
- 組み合わせの並び順は、特定の観点の順番を示したものではありません。
② 観点を3段階で評価する場合(平塚市)
観点ごとの評価がA(十分満足できる)・B(おおむね満足できる)・C(努力を要する)の3段階の場合は、その組み合わせから評定を決めます。一般的には、次のようなイメージです。
| 観点の組み合わせ | 評定の目安 |
|---|---|
| AAA | 5(または4) |
| AAB・ABB など | 4〜3 |
| BBB | 3 |
| BBC・BCC など | 3〜2 |
| CCC | 1(または2) |
※一般的な傾向をもとにした目安です。
3段階の場合、同じAAAでも評定が5になるか4になるかは学校の基準によります。テストの得点など、より細かい材料をもとに4と5を分けることもあります。
2つの仕組みの共通点
どちらの場合も、評定は3つの観点すべての積み重ねで決まります。テストの点数だけ、提出物だけで決まるものではありません。
また、県の資料では「CCA」や「AAC」のように観点ごとの評価にばらつきがある場合、その原因を検討して指導や支援につなげることが大切だとされています。
ここで紹介した表は、県が示したモデルと一般的な目安です。実際の評定のつけ方は各学校が定めているため、細かな基準はお子さまの学校の説明資料や面談で確認しておくと安心です。
ポイント3:「主体的に学習に取り組む態度」は“まじめさ”の評価ではない
保護者の方が一番誤解しやすいのが、この観点です。
県の資料では、この観点は「手をたくさん挙げる」「毎回きちんと提出している」「性格がまじめ」といった、行動面や性格の傾向を評価するものではないとはっきり書かれています。
では何を見ているのかというと、次の2つの側面です。
- 粘り強さ……知識を身につけたり、考える力をつけたりするために、粘り強く取り組もうとしているか。
- 自分の学習を調整する力……取り組む中で、自分がどこまでできているかを把握し、学び方を工夫したり修正したりしようとしているか。
この2つが両方そろってこそ、高い評価につながります。ただ黙々とやり続けるだけでも、工夫はするけれど途中で投げ出してしまうのでも、高い評価にはなりにくいのです。
評価の材料としては、ノートやレポートの記述、授業中の発言、先生による観察、生徒自身の振り返り(自己評価)などが使われます。定期テストの点数だけで成績が決まるわけではない、というのはこういう理由からです。
補足:通知表の数字に入らない「よさ」もある
「感性」や「思いやり」といった部分は、観点別の評価になじまないため、個人内評価として扱われます。評定の数字には含まれませんが、通知表の所見欄などで、お子さまのよいところや成長として伝えられます。数字だけでなく、ぜひ所見欄にも目を通してあげてください。
なぜこれが高校入試に関係するの?
神奈川県の公立高校入試では、中2の9教科の評定と、中3の9教科の評定を2倍したものを合計した内申点(135点満点)が使われます。中2の成績から入試に関わってくるため、評定の仕組みを知っておくことは、そのまま受験対策につながります。
ご家庭でできること
- テストの点数だけでなく、「どこを間違えたか」「次はどうするか」を一緒に振り返る習慣をつける
- ノートや提出物は「出すこと」だけでなく、「自分の考えが書けているか」を意識させる
- わからないところをそのままにせず、質問したり調べたりする姿勢を認めてあげる
こうした日々の積み重ねが、「粘り強さ」と「学習を調整する力」を育て、評定にも自然と表れてきます。
おわりに
評定の仕組みは少し複雑ですが、根っこにあるのは「お子さまが目標に向かって、自分の力で学びを進められているか」という考え方です。学指会では、秦野市・平塚市それぞれの中学校の評価の仕組みをふまえ、テスト対策だけでなく学び方そのものを身につけられるよう、一人ひとりに寄り添った指導を行っています。通知表や内申点について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
参考資料:神奈川県教育委員会『カリキュラム・マネジメントの一環としての指導と評価 学習評価資料集(小学校,中学校)』(令和2年3月)

