学指会でも新学期の授業が始まりました。最初の英語の授業で「現在完了進行形」の指導をしました。今までは高校生で学んでいた文法でしたが、今年から中3で学習します。高度な文法的な理解を必要とするので、いわゆるトップ層でない学力層の生徒には、かなりしんどい内容だったと思います。

コミュニケーション重視の授業

昨年度はコロナ禍により、学習進度が中学によって大きく異なっています。本来は移行措置として現在完了形を中2で学ぶことになっていましたが、まだ学習できていない中学校もあります。また最近の中学校の授業は文法メインでなく、コミュニケーション重視になっています。そのため現在完了形を習っていたとしても『ふんわり』と学習しているにすぎません。

授業とテストは違う

保護者の方に知ってほしいのは、英語の授業が、保護者のみなさんが受けていた授業スタイルと大きく異なることです。「コミュニケーション」を重視するということは、音声でのやり取りを重視しますので、文法ルールを理解することが少なくなっています。しかし定期テストでは文法についてもバッチリ出題されます。

今は数学嫌いでなく英語嫌い

学力差が出てしまうことは仕方がないことですが、ボトムアップする機会が少ないため、英語嫌いが増えてきていると感じています。学習塾は「補完的な機関」です。学校で学習指導を受けていないような生徒の学力を上げるには、工夫した取り組みをしなければいけません。それが今回の現在完了進行形の授業には含まれていると思っています。

合理的な説明の必要性

「現在完了進行形」を理解させるには、「状態動詞は進行形にできない」という知識がないといけません。それを感覚的に訴えても英語が「できない子」には通用しません。例えば「走っている」は進行形ですが「知っている」は現在形です。文字的には「っている」と同じになっています。これは日本語の理解です。「私は6年間英語を勉強している」は現在完了形ですが、「私は2時間英語の勉強をしている」は現在完了進行形です。合理的な説明が必要だと思いませんか?

高校で習っていたときは、『Grammar』の授業で動作動詞と状態動詞や、自動詞と他動詞の違いを学んだ後に習っています。英文法のようなルールの枠組みを学ぶことは、できる子でなく、できない子を引き上げる時に有効的な手段です。今のカリキュラムは「できる子」用になっているようでなりません。

最後に

実際に学校現場がどのような対応になるか分かりませんが、英語嫌いを生まない取り組みを望みます。または授業内容とテストの内容がリンクすることを望みます。今年からの英語は全学年大変です。